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わずかな明かりの中、薄暗く長い廊下が続いている。 ――先が見えない。 このまま暗闇の中に、呑み込まれてしまいそうな感覚に陥る。 それに……背後からアイツが、 いつ追ってくるか分からないのだ。 もしかしたら、この瞬間にも…… そう考えるだけで、背筋がゾクゾクした。 心細い、怖い… そういった感情で私は潰れそうだった。 ハア……ハア…… すぐに息切れが起こる。 何度も立ち止まろうかと、考えてしまうのだ。 本当に……体力が欲しい。 ……… ゼエッ……ゼエッ…… やっぱり駄目だ。 苦しい……胸が痛い…! 「…っ……! 私……もう…だめ…」 つい弱音。 私は立ち止まった。 『舞、止まるだめっ! ……歩く!少しでも歩く! 敵に舞捕まる、私悲しい』 見るとアメリーが、悲しそうな表情で手をばたつかせているではないか。 「…アメリー…」 私はしばらくアメリーを見つめた。 するとアメリーが、大きなペロペロキャンディーを 私に差し出してきたではないか。 『舞、私の一番のお気に入りの飴あげる! だから…歩く、歩く!』 アメリーが私の元に、 テクテクッと近付いてきた。 私はアメリーのその様子に、嬉しくなり微笑む。 「…ありがとう、アメリー。いつも励ましてくれて。 うん…そうだね、 少しでも努力しないとね」 私は立ち上がろうとした。 だが、その瞬間…… ――ドンッ…と、何かに当たってしまったのだ!!
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