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もしかして、逃げた?
もももしかしてもしかして、どこかに隠れてて、いきなり襲うつもりだったらどうしよう!
サーッと体から血の気がひいていく。
怖い。怖い。
周りをきょろきょろ見渡して、人の気配はないか確認する。
「警察に通報しなきゃ…」
その時、ガラスの破片がカチャリ…と擦れる音がした。
――――!!
「そこね!!」
ええいっ、やけだ!
怖さで手汗をかいて、若干濡れている包丁を、音のした方へ思いっきり投げた。床に刺さった音がしたことから、はずしたようだが…罪悪感で目を開けられなかったのだが、当たってないことがわかり目を開けた。
そこには誰もいなくて。
カーテンが風で大きく揺れているだけだった。
―――シーン
「……あ、あれ?」
散らばった破片に気を付けながら、私はゆっくりとベランダへ近づく。
「さむっ……だ、誰もいないの?」
風が冷たい。
…この窓どうすんのよ。
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