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頑張って思い出すと俺とその女子がぼやけて見えた。それもおかしなことに少し離れたところからの視点だった。 あたふたしている、俺。相手もどこかもじもじしている。なんかそんなところがすごく和やかに感じられた。客観視してみると空気が軽く感じる、あそこだけ見るとすごく暖かな、そんな感じ。あの頃は桜も咲いてたっけ? ふと回想が途切れた。想像中も視界はまったくゼロで真っ暗な闇の世界にいるはずなのに 回想が途切れた瞬間にはもっと暗いところに動かされた感じがした。 不思議な感じでなんか寂しい。 ふいにふわっと柔らかな風が髪に顔に触れた。ちょっぴりひんやりとしていた、まだ春の風に混じって冬の風が入ってるみたいだ。気持ちがいい。
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