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検査の日、まず真っ先にされたのはバリウムを飲む事だった。
すべての検査を終え、診察室に呼ばれ、私は母とともに向かった。
「大変お辛い事なのですが…」
先生は少し言葉につまり、そして続けた。
「お子様は染色体異常です。無事お生まれになってもダウン症になると思われます。」
私は母の手を無意識に握っていた。
「バリウムを飲んで頂いたのですが、本来であればお子様の臓器に全て行き渡るはずなのですが、肺に入っていってません。考えられる事は肺に気管が繋がっていないと思われます。」
私の頭の中は真っ白になった。
「無事お生まれになってももって一年…場合によっては死産の可能性もお考えください。我々も全力を尽くします。ただ、このままお腹の中にいたとしてもお子様は弱っていく可能性があるため、早めに帝王切開をされたほうが善いと思われます。」
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