中学生

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皆が焦っていると、力也が口を開いた 「いや、俺、陽菜じゃないよ!」 皆が驚いた顔で、力也に質問ぜめをする 「陽菜じゃないの?」 「うっそだぁー」 「おまえ、好きなやついないの?」 とても困った顔をした力也は「いない」と返事をしていたが、それでも、興奮している皆は、強引に、他に好きなやつはいないか聞いている あまりの強引さに、力也は一人の名前を出した 「沙織・・・」 胸が張り裂けそうだった 涙もでない まだ恋愛の経験がない私には、心がついていかなくてただ、話を聞くしかできなかった 失恋って、こんなに痛いんだ 私、失恋したんだ 涙は後から押し寄せてくる でも、このまま知らないふりをしたら私はいつもどおり、力也と友達でいられる そうしようと、心に決めた  
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