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次の日、ソワソワしながら力也の様子を見ている私
チラッと沙織を見ると
他の男の子と話していた
「沙織って男好きだよね」
佐和子が寄ってきて沙織の悪口を言う
表向きは仲の良い佐和子と沙織は、裏ではお互いを悪く言う
私はそんな二人の間にいつも入っていた
「沙織って陽菜と仲良さそうにしながら、なんかライバル心むき出しにしてるときあるよね?」
変だなって思う時は確かにあった
小学校の時から私と佐和子と沙織はいつも一緒にいた
この三人の友情はずっとだと思っていたが、大人になるにつれ、壊れかけていることに気づいていた
でも、壊す勇気なんて三人ともなかった
一人になるのが嫌だから
薄れかけの友情は、口に出しながら、言葉にしながら、繋げていた
真ん中にいる私はどっちつかず
いい子ぶってたのかもしれない
人の悪口を言うのは嫌だからといいながら、言わない自分を正当化したかっただけかもしれない
未熟だったんだ
まだ、子供だったんだ
そして、私は佐和子に返事をする
「そう?そんな事ないとおもうよ」
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