中学生

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そしてまた、新しい一日が始まる 一日中、憂鬱になりながら過ごして、結局また聞けないでいた 部活が終わると沙織が聞いてくる 「陽菜、聞いてくれた?」 「ごめん、、まだ、」 「えー!まだ?じゃあ、今日、帰りに聞いてよ!、野球部まって、一緒に帰ろう」 「うん、、、」 何もしらない佐和子も加わって、三人で力也のいる野球部をまった 一緒に帰りながら、私と力也は皆より少し遅れて後ろを歩いた 緊張しながら、冷静さを装って聞いた 「力也、好きな人いる?」 「え?」 「だから、好きな人いないのって聞いてるの!」 「なんで、そんな事きくわけ?」 「どーでもいいでしょ!」 「あっそぅ、、別に好きな人なんていない、、」 「嘘つき!!」 力也が驚いた顔をしている この時、私はイライラしていた むきになっていた 「沙織が好きなんでしょ」 力也が嫌そうな顔をしていたが、私は、しつこく言っていた 「いないっていってるじゃん」 「沙織でしょ!」 「ちがう!」 「沙織のくせに!」 「もぅ、しつこい!」 「私、協力するから!沙織でしょ!」 本心ではない 協力なんてしたくなかった だけど、素直じゃない私は、むきになって、心にもないことを言ってしまった この時の、力也の悲しそうな顔は、今でも覚えている だけど、なんで悲しい顔をしたのかは、子供の私にはあの時、理解できなかった 「あっそぅ、、はいはい!沙織、沙織、沙織です!でも、陽菜の協力はいらねー」 「そ、そうなんだ」 力也が怒っていることよりも、沙織を好きだと認めたことのほうが、ショックで、それ以上、力也にかける言葉がみつからなかった  
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