中学生

19/61
前へ
/165ページ
次へ
そんな気まずい雰囲気の二人を、チラチラ気にしながら見ていた寛大がいた この時、寛大の考えていたこと 寛大の為に、親友を傷つけないで何かを隠していた力也のこと 知らないで私は、無意識に二人を傷つけていた 頭の中が力也でいっぱいで 力也の事を考えながら 家についた すると、沙織が家にきて 結果を聞こうとする 「聞いた?」 「うん、」 「で!だれ?」 言葉がでない 沙織だよ、なんて言えない いや、言いたくなかったんだ 悔しくて、沙織に嫉妬していた 「陽菜?」 何も言えないでいた私の顔を沙織は覗きこみ、答えをまっている でも、言えなかった 「あーやっぱりね、」 沙織の声に下を向いていた私は顔をあげ、沙織をみた 「やっぱり、陽菜が好きだったんだ?」 どうやら、沙織は、私が遠慮して気を使って言えないのだと勘違いしていたのだった 力也は陽菜を好きだった 沙織の中では、そうなっていた ここで、ちがうと言えない自分がいた 嫉妬からズルい自分がいたのだ 沙織の勘違いが、自分の中で都合がよくなる 力也は陽菜が好き 私の欲望が、ちがう現実を作り上げた瞬間だった 「そう、そうなんだ、ごめん、」 嘘をついてしまった 「なぁ~んだ!やっぱり、陽菜だったんだ、まぁ、わかってたけど、まぁ、いいや!ありがと!」  
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4607人が本棚に入れています
本棚に追加