学校

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「お客」は20代後半くらいで、身長は諒人と同じくらいあるだろうか。 昼間にも関わらずサングラスをかけているせいで表情が分かりにくい。 その上、高そうなスーツを着こなしているその雰囲気はパッと見、「あぶない人」に見える。 「ねぇ、さぁーちゃん? 誰??」 隼人が首をカクンとかしげて沙羅に聞く。 「……………岡宮だ。」 沙羅はしばらく沈黙したあと、低い声で答えた。 「岡宮さん??さーちゃんの親戚の人??」 「……………………。」 今度は沙羅は答えない。 目を閉じて、明らかに不機嫌な顔だ。 「さーちゃん?」 隼人は相変わらず、にこにこしながら聞く。 クラスメイトも沙羅の答えを期待に満ち溢れた顔で待っている。 「………岡宮楓(おかみや かえで) 私の………ボディガードだ。」 「「「ボディガード⁉⁉」」」 「ボディガードってあの!?」 「本物とか初めて見た!!」 「かっこいい~💕」 沙羅の答えにあちこちで歓声なのか悲鳴なのかわからない興奮した声が聞こえてくる。 ただ、質問した当の本人は「さーちゃんち、お金持ちだもんねぇ」としれっとしている。 答えた沙羅は沙羅で、 「だから言いたくなかったんだ。」と諒人に当たっている。 長年の付き合いで全て知っていた諒人は沙羅の八つ当たりに、「よしよし」と手慣れた感じであやしていた。
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