テイクタイム

3/7
前へ
/62ページ
次へ
俺はモテるらしい。 確かに、鏡の自分を見て、かっこ悪いと思ったことはない。 白めの肌に高い鷲鼻、細めだけど長くて少しだけ垂れた眼に長いマツゲ。 もともと太らない体質で、しかもダンスやってるせいで体はけっこう締まってる。 どんな服でも大体似合ってしまうこの体格が好きだ。 ダンスやってるやつは常にどうしたら一番かっこよく見えるかを考えてる。 そしたら自ずと自分自身がかっこよくなってくるだろ? だからどんなもっさりした奴だって、ダンス始めれば1.5~2倍はかっこよくなるはず。 ただの持論だけどね。 いままで付き合った女は11人。 高2にしては多いだろ? Hした女は……その倍くらい。 高2にしては多すぎだろ! 高校生のくせに一人暮らししているのがいけないんだと思う。 簡単に連れ込んで簡単にできる、そして朝起きれない。 高校生には大きすぎるおもちゃだ。 そんな男だからリサに好かれたんだと思う。 付き合った女のほとんどがリサみたいな派手で偉そうな奴ばっかりだった。 俺をアクセサリーとして見ている。 分かりやすい価値でしか俺を見ていない、物扱いだ。 だから、俺もそんな目で見ることにしている。 女なんて向こうから来るものだ。 飽きたら次を待てばいい。 そんな俺が、久しぶりにドキドキしている。 目の前の女の子に心を奪われている。 『女なんて向こうから来るものだ』初めて、それを心から願った。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加