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それにしてもきれいな子だ。
肩くらいまである髪に軽めのパーマがかかってる。
俺よりも垂れ目だけど大きくてくりくりした目だ。
メイクはあんまりしてないみたいだけど、それがちょうどいいくらいにきれいな肌で、はっきりした顔立ちをしている。
俺が今まで付き合ったことのないタイプだ。
多分、いままでと違うから余計惹かれてるんだろう。
「麻紀はキイチ君初めてだっけ?」
和音ありがとう!自然な感じで振ってくれた。
マキっていうのか。
うん、まず間違いなく初めてだ。
こんな子、忘れるわけがない。……、和音のことは忘れてたけど。
「ねー、和音なんで制服なの」
バカ!余計な口挟むんじゃねえよ!
マキちゃんがしゃべるタイミング無くしてるじゃねえか!
お前は黙ってろ!
「今日さー、学校説明会があるんだよ」
「うそ、全然知らなかったなだけど!」
「あー、でも専門学校がいっぱい集まる説明会なんだ。うちの学校の人ってほとんど4大行くじゃん?だからパンフレットも来てないの」
「え、じゃあ途中で帰っちゃうわけ?」
「うん、もうそろそろ行く。麻紀についてきてもらうから、その代りに連れてきてあげようと思って」
「えー、もっと遊んでいきなよぉ」
うそ、帰っちゃうわけ?
マキちゃんと全然しゃべれてないじゃん!
何か、せめてクラスだけでも聞いとかないと。
頭の中が空回りしている。こんなこと初めだ。
いつもならバカみたいにすらすら言葉が出てくるのに。
その時、
「キイチ君て学校で見ないよね!何組なの!?」
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