テイクタイム

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唐突にマキちゃんがしゃべり始めた。 というより、怒鳴った。 一瞬みんな固まり、周りにいた何人かがこっちを見た。 マキちゃんは明らかに失敗した顔をしてる。 俺はその、いきなりすぎて裏返ってしまった彼女の声が、とてつもなく可愛く感じた。 「和音さあ、その子誰だっけ?うちの制服だけど多分会ったことないよね?」 「2学期の初めに転校してきた子。うちの学校に転入だよ?すごくない!?麻紀、1組の仮谷喜一郎君と6組の中村理沙さんだよ、挨拶しなさい」 「10組の小林麻紀です。部活とかしてないです。よろしくお願いします」 「かわいいねー。顔超小さいじゃん!もっとさ……」 「仮谷喜一郎です!麻紀ちゃんだけはキイチって呼んでいいよ。他の奴には絶対呼ばせないから!」 リサが何か牽制しようとしていたが、そうはさせない。 その前に俺が押し切ってやる。 「俺、いつでも1組にいるからどんどん遊びに来て!こいつは妹だから気にしなくていいよ」 「おい!つうか、あんた全然学校行ってないじゃん!」 「うるせえ!妹!」
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