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これぐらいリサなら大丈夫。
いつも通りのやり取りだ。
マキちゃんが笑ってる。
とりあえずOKだろう。
「キイチ君はしばらく学校行ってないんですか?やっぱり初対面?」
「うん、最近全然行ってないね。そろそろ行かないとやばいけど」
「あたしのこと見たこともない?」
「うん、麻紀ちゃんみたいなかわいい子、忘れるわけないじゃん」
やっぱり俺に何かある。
リサよりも俺に話しかけてくる。
これが続くと、多分リサは…、
「和音、そろそろ行かないといけないんじゃない?」
ほらきた。
「そーだね、麻紀行こうか。楽しめた?」
「和音、またご飯食べたりしようね。麻紀ちゃんも」
「ありがとう。仲良くしてくれると嬉しいです」
「すごい丁寧だね、無理してない?」
リサは平気でそんなことが言える。
多分、今日は一日機嫌が悪いだろう。
俺がマキちゃんを気に入ってるのがバレバレだ。
曲はいつのまにかミッシーエリオットに代わっている。
階段を上っていくマキちゃんを見送ると、また面倒な時間が来る。
今日くらいはリサにちゃんと付き合ってやらないと。
マキちゃんの携帯番号を聞くのを忘れていた。
でも大丈夫。10組には翔太がいる。
久しぶりに活動的な自分が見られるだろう。
こうして、俺の不登校は治った。
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