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俺はけっこう友達が多いほうだと思う。
ハロー効果ってやつだ。
見た目がよければ、中身もいいと思われる。
第一印象はその後の関係に大きく影響を与える。
俺は嫌われたくないから必死に自分を磨いた。
「幸雄、ごめん、時間割持ってない?」
「キイチぃ、俺が見せてやるよぉ」
村越がクリアファイルを突き出してきた。
「あー」とか言いながら鞄を探ろうとした幸雄が露骨に嫌な顔をして、俺に背を向けた。
村越正史。
ちょっと引っかかる奴だ。
幸雄やクリちゃんは関わろうとしない。
「なんだよ、キイチぃ、時間割も持たないで学校に何しに来たんだよぉ」
「なんとかなると思って」
「どうせ無くしたんだろぉ、お前の部屋散らかってるからすぐ物無くしそうだもんな。いい加減片付けろよぉ」
「忙しくてさー」
去年一度だけうちに来たことがある。
その話を事あるごとにしたがるんだ。
リサのおかげで俺の部屋は5ヶ月前から白一色だ。
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