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「翔太!」
10組も俺が入ると、なかなかざわついてくれる。
でも、知ってるやつが少ないので1組ほど空気は変わらない。
迷惑がってるやつも何人かいる。
翔太は嫌そうな顔で教室の後方からこっちを見ていた。
マキちゃんのいないことを確認して教室の中に入ってくる俺にぼそぼそ訴えてきた。
「無理だって…、俺、小林となんてしゃべったこともないからさぁ」
「なんだよ、まだかよ。ほんとお前ぐらいしかいないから」
「こんなこと頼んできたの始めてだろ。なんで俺なんだよ」
女の子を誘うくらいでわざわざ友達伝いに言わせるなんて、俺も落ちぶれたもんだ。
だけど、だけどなぜか、今回だけは絶対にはずしたくないと思った。
いつもの軽い付き合い方が恐ろしく不安に思えた。
だからまずはグループ交際から。
小学生みたいなかわいらしい結論に辿り着いたが、言い換えれば合コンの誘いだろ?
純粋な下心を武器にするような誘い方にも多少不安がある。
でも、マキちゃんのことを考えるとこれしか思いつかなかった。
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