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クラブでは暗くて見えづらかった顔が今ははっきり見える。
睫毛がけっこう長い。
背が高いことにも気がついた。
ってことは…、目の位置が近い。
一瞬で心臓に波が来る。
「あ、仮屋さん、おはようございます」
「もう昼だよ?昨日は名前で呼んでくれたじゃん、キイチって呼んで」
「あ、ほんとに?昨日馴れ馴れしくしすぎたと思って、家で反省したの。でも今度からそう呼ぶね」
やばい、ツボだわ。
この丁寧さが今までになかったのかな。
しかし、丁寧=ガードが固い、と俺のプログラムははじき出す。
二宮和音、頑張って!
「キイチ君たちと鍋しよって話してるんだけど、マキも行こ?」
「いつ?どこで?」
「いつやるかは決まってないよね?場所はキイチ君の家だよね」
「キイチ君たちって?」
「今のところ、あたしとキイチ君と翔太。あと、1組の涼子って子も来るかも」
「うーん…、知らない人がいるのか」
やっぱりな。ガードが固い。
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