ファーストコンタクト

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【11月4日:麻希と初めて会う】 「ねぇ、キイチどこいってたの!?」 「お前が勝手にどっか行くからだろ!!」 「え!?何!?」 「ひ・と・り・で・い・く・な!」 腹にズンズン響くビート音のせいで会話が伝わらない。 SOULJA-BOYがギャーギャー叫んでいるせいで、俺も叫ばなくちゃいけない。あ、ギャーギャーじゃなくてヤーヤーか。 クラブはしゃべるとこじゃないから、しょうがないだろう。 しゃべりたくないから踊るんだ。……多分。 「ナッツがね、違う高校の子連れてきてんの!だから行くよ!」 「俺いなくてもいいだろ!」 昼イベなんて超久しぶりだ。 ってか昼からクラブなんかにいちゃいかんだろ。 昼から夜まで真っ暗なんて相当体に良くない。 なんて、最近は昼間寝ちゃってる俺が言えたもんじゃないけど。 「あー、イズミ髪型変えたんだ!超可愛い!」 あ、また一人で行っちまった。もう知らねえよ? 俺は来たくて来たんじゃないんだから。 リサがチケット代まで出して無理やり連れてこなかったら、うちで寝てたはず。 あいつの目的は俺と二人でいるところを他のやつに見せびらかしたいだけ、自慢したいだけなんだ。 俺が最近学校行ってないから、付き合ってるってことに対する現実味が薄れてるんだろう。 リサにとって、俺はステータスだ。
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