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「裏学園祭」
東西学園高校では11月3日が学園祭だ。
毎年土曜に学園祭が行われる。
それが終わった次の日曜には、クラブを貸切り、裏の学園祭が開かれる。
といっても、高校生がDJやったり、ステージでバンドやったり、ダンスやったり、身内ウケしかしないお笑いやったりと、学園祭で出なかったやつらがパフォーマンスするくらい。
いくらうちの学校が真面目だからって、ステージに出るやつがほとんどいないのはおかしいだろ。
そいつらはみんなここに出てる。
いつもバーテンで働いている中村さんのテンションが高い。
「キイチ君!
アブリルかかったよ!やべぇ、俺かなり上がってきたわ!」
完全になめられてる…。
いくらクラブイベントだからって、所詮まじめな学校の高校生が全部仕切ってる。
普段クラブに生き慣れてないような子たちがイメージだけでやろうとするから、こっちとしては大分恥ずかしい仕上がりになってしまうのだ。
特に今日のDJのやつはひどい。
邦楽洋楽お構いなく、およそアナログ盤が見つからないような曲をガンガンかける。
踊っているほうだって高校生だから、マニアックなヒップホップかけられるより、そこらのJ-POPの方が盛り上がる。
テクニクスのDZ1200って機械のせいだ。
デジタルだからCDでもプレイができる。
ったく、良いとこの高校の子は金持ちすぎる。
あれ、何万するんだっけ?
「キイチ君!やばい!ミヒマルGT!
次SPEEDかけてもらってよ!」
あぁ、メンドくせえ。
「俺、ミスチル聞きたいっす」
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