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「…なぁ、総司。
桜は何で潔く散っていけるのか知ってるか?」
「………」
「いいか、桜が潔く散っていけるのは、
桜は、また来年
咲き誇ることができるのを知ってるからなんだよ」
「……」
「だからな、総司…お前だっ「馬鹿じゃないですか?」
急に立ち上がった総司が俺の言葉を遮った
「はぁ!?お前っ!人がせっかく「クサイんですよ、言ってることが」
「こんの!総っ…司…」
俺も立ち上がって肩に掴みかかった
振り返った総司は目に涙を浮かべていた
「まったく、土方さんのくせに、柄にもないこと言わないで下さいよ」
「お前……」
「…疲れたので、部屋に戻りますね」
「ちょっ…待て、総司!」
そんな俺を無視して総司は自分の部屋へと戻っていった
本当、素直じゃない奴
そういう所は小さい頃から変わらないんだな
サァァ―――
風が桜の花を散らす
「儚い…な」
総司の命が永く続きますように……
俺にはそう願うしかなかった
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