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「部活はサボる。あと、今日はお前優先にしておく。いつもは相談を受けてるだけだしな」
和也はフッと、女性が見たら一目惚れしそうな笑みをうかべて言った。
「そっか。サンキュ~。ほんと、お前って意外とタラシじゃないよなぁ」
浩紀は和也がわざと空けてくれたことに気づいていたが、素直に礼を言うのもしゃくと思い、ちゃかしながら言った。
「俺はそんなことはしない。それに、俺なんか、そこまでモテないだろ?」
「無自覚ってのが一番たち悪いっての……」
浩紀は苦笑いしながら言った。
「そんなことより、そろそろ時間だ、行くぞ」
「ヤベッ。急ごうぜ」
時刻は授業開始5分前になっており、二人は急いで食器を返し、教室に向かった。
この時は、急に平凡な日常が終りをつげるなどとは、誰も考えていなかった……。
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