第一章

10/11
前へ
/53ページ
次へ
「ホントだ」   見てみると、自販機の前の道路に淡く輝くカギが落ちていた。   「でも……何か変な感じがするな」   「あぁ和也もそう思う? 何となく普通と違う感じがする」   そのカギには、妙な存在感があった。   しかし、すれ違う人達はその鍵に目もくれない。   まるで、そこに何も無いかのように。   「なんだ?どうして、誰も鍵に気づかないんだ?まさか俺達にしか見えてないのか?」   「拾ってみればわかるだろう?」   そう言うと、和也は自転車を降り、その淡く輝くカギを拾いあげた。     その瞬間、二人は知らない場所にいた。   周りは暗く、物は見えるがどこまでも暗闇が続く場所。   そこには、高さ4m、横幅2mほどの門があった。   それは、この空間で異常なほどの存在感で佇んでいた。   「ここは??」   浩紀は和也に訪ねるが…   「俺がわかるとでも?」    「だよなぁ。なんなんだ?いったい……」     「……繋がったか」     「ん?和也何か言った?」   二人しかいないはずの空間に声が響く。 当然、浩紀は和也に訪ねるが……   「俺は何も……。誰だ!?」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加