第二章

2/11
前へ
/53ページ
次へ
    ………     「……ん……。ここは?」   浩紀はゆっくりと目を醒ました。   視界が霞み、状況がうまくつかめない。   「視界がぼやける?」   眼鏡が汚れたのだと思い、拭こうと眼鏡を外すと、一気に視界が拓けた。   「……す……スゲェ!!それに、視力が戻ってる?」     眼前に広がったのは……青々と広がる草原に、ゆっくりと流れる清んだ小川、高く佇む岩山だった。   空には、見たことも無いような鳥が優雅に飛んでいる。 浩紀はその光景に見とれていたが……     「……。はっ、そういえば和也は?」   周りを見渡すと、案外近くに、まだ気を失っている和也を見つけた。   「おぃ、和也!!起きろ!!」   和也に呼びかけながら肩を揺すると、 ゆっくりと目を開けながら身体を起こした。   「……ぅ……どうした?」   「やっと起きた!凄いぞ!?周り見てみろよ!!」   和也はゆっくりと周りを見回すと、少しほうけてしまう。   「……ここは?浩紀、なんで眼鏡外してるんだ?」   そんなことを聞く和也は軽くテンパっていたかもしれない。     「知らねぇ。眼鏡は、なんか視力が良くなってた」   「俺もかもしれない。視界が少しぼやける」   「じゃあ、コンタクト外してみろよ」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加