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………
「……ん……。ここは?」
浩紀はゆっくりと目を醒ました。
視界が霞み、状況がうまくつかめない。
「視界がぼやける?」
眼鏡が汚れたのだと思い、拭こうと眼鏡を外すと、一気に視界が拓けた。
「……す……スゲェ!!それに、視力が戻ってる?」
眼前に広がったのは……青々と広がる草原に、ゆっくりと流れる清んだ小川、高く佇む岩山だった。
空には、見たことも無いような鳥が優雅に飛んでいる。
浩紀はその光景に見とれていたが……
「……。はっ、そういえば和也は?」
周りを見渡すと、案外近くに、まだ気を失っている和也を見つけた。
「おぃ、和也!!起きろ!!」
和也に呼びかけながら肩を揺すると、
ゆっくりと目を開けながら身体を起こした。
「……ぅ……どうした?」
「やっと起きた!凄いぞ!?周り見てみろよ!!」
和也はゆっくりと周りを見回すと、少しほうけてしまう。
「……ここは?浩紀、なんで眼鏡外してるんだ?」
そんなことを聞く和也は軽くテンパっていたかもしれない。
「知らねぇ。眼鏡は、なんか視力が良くなってた」
「俺もかもしれない。視界が少しぼやける」
「じゃあ、コンタクト外してみろよ」
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