第二章

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コンタクトを外した和也は、再度周りを見渡す。     「ホントに見えるな。」     「だろ!?凄いよなぁ。」     本当ならば、いきなり全く知らない場所に来てしまったのだ。     相当の不安や恐怖があっても不思議ではない。   むしろ、当然の事だろう。     しかし、浩紀にはそれがなかった。   いや、少しはあったかもしれないが、今はワクワクや、好奇心がそれを上回っていた。     しかし、和也は正直不安だった。   ここはどこだ?何で俺が?帰れるのか??   持ち前のポーカーフェイスで表情には出さないが、心の中はいろんな気持ちでごちゃごちゃしていた。   それなのに、脳天気にはしゃいでいる浩紀を見て、何かがキレた。     「ふざけるな!!」     気づいたら怒鳴っていた。   浩紀は、長年付き合ってきた親友の初めての怒鳴り声に肩をビクつかせて、キョトンとした顔で和也を見た。   和也は一瞬、罪悪感をおぼえたが、勢いは止められない。     「今の状況がわかってるのか!?全く知らない場所にとばされて、帰れるかもわからない!!そんな、脳天気に騒いでる場合じゃないだろう!!」     少し荒くなった息のまま、浩紀を睨む。   しかし、返ってきたのは、さっきまで騒いでいたとは思えない不安そうな笑みだった。     「和也が不安を感じてるのはわかってた。ポーカーフェイスで隠してるつもりだったみたいだけどな。 だからこそ、脳天気に振る舞った。俺まで不安そうにしたら、連鎖になって止まらなくなるから。 俺だって少しは不安だよ。でも、過ぎた事をどうこう言ってもしょうがない。今を受け入れるしかないんだよ。」
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