プロローグ

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    そこは、暗い部屋。外界からの光は何も無く、数本のロウソクの火が微かに揺らめくのみ。     その部屋の中央に何者かが立っていた。     ローブを目深に被っているため、表情はわからない。     「時間が無い……これは最期の賭けだ」     声からして男であろう人物は、そう静かに呟くと、何かを唱え始めた。     すると、その男を中心として、円の中に不思議な文字や記号が描かれた魔法陣が浮かび上がった。     「……万物に宿りし生命よ、我は二つの世界を繋ぎし者なり。 二つの世界、世界を越え、時空を越え、今こそ繋がれん。 世界を繋ぎし扉、その扉を開く鍵よ……今こそ現れよ」     その声に呼応するように、淡く輝く光の粒子が集まりカギの形を創ってゆく。       「これは賭けだ。世界を救うか、破滅させるかの……」       .
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