第一章

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      ……     「んんん……」     窓から差し込む朝日が浩紀の顔を照らす。     「この前の夢か……」     目を擦りながら体を起こす     枕元の棚には優勝トロフィーを持ちながらチームメイトと笑い合う浩紀の写真と、トロフィーが飾ってあった     浩紀は地元の高校に通う18歳で、先日おこなわれた全国大会で優勝したのだ。     髪は黒で左側に軽くアシメにしていて、トップはツンツン立っている。長さはミディアムだ。     特徴は、158cmという小柄な身長と、ぱっちりとした二重の目。   黒いフレームの眼鏡に、女の子の声を少しだけ低くしたような、高い声だろう。     「まだねみぃけど、そろそろ起きなきゃか?」     そう独り言のように言うと、起き上がり携帯の時計を見てみるが……     「やっば……遅刻だぁぁ~!!」     浩紀は、予想以上に時間がギリギリであることに気づくと、慌てて服を着替えて階段を駆け降りた。 「ちょっとヒロ、ご飯は?」 「時間やばいからいらないっ。行ってきます」 リビングから顔を出した母親に応えると、家を飛び出し自転車で学校に向かった。     ………
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