13人が本棚に入れています
本棚に追加
学食はそれほど広いわけでもなく、
食事をする学生達で、ごった返ししていた。
そんな中、隅の方にちょうど二人分の空席を見付け、
トレイを置きながら席につく。
「しかし、今日はよく寝てたな。疲れてるのか?」
和也は注文したうどんを食べながら聞いた。
「別に……疲れてるわけじゃないんだけどなぁ。少し変な夢を見たんだ」
それに、浩紀はカレーを食べながら苦笑いで答える。
「そうか。夢ってどんなのだ?」
「それは……今はめんどいから、放課後にでも話すってことで」
浩紀はニカッと笑いながら言った。
「しょうがない、後にしてやるよ。ありがたく思えよ?」
和也は冗談ぽくため息をつく。
「はは……。ってかお前、放課後大丈夫なんか?部活とか、女の子とか?」
和也はサッカー部のキャプテンしていて、プロからもスカウトが来ていた。
ドリブルのテクニックも凄いが、何よりもシュート力が凄まじい。
体育なんかで、こいつのシュートをくらって何人が吹っ飛ばされたことか……
思い出すだけで冷汗が出てくる。
浩紀は、ブルッと一瞬だけ体を震わせる。
しかも、顔と頭脳も申し分ないのでかなりモテる。
普段はクールでほとんど無表情だが人付き合いは良い。
だから、帰りは用事があることが多いのだが……
最初のコメントを投稿しよう!