日常1

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「ただいまー」   少年は、猛暑特有の燦然と輝く夕焼けを背に家に着いた。   「あらお帰り。テストはどうだった?」   彼の母は、予測していたかのように彼に呼び掛ける。   「はい、勝手に見なよ」   彼は、家族とはあまり仲がよくない。 とはいってもそれは思春期にありがちな恥じらいの一種であり、深刻なまでの溝でもない。   「約束は守ってくれるんでしょ?」
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