2/17
前へ
/153ページ
次へ
空を見て、慎は小さく溜め息を吐く。 天気は、あまり良くない。 てか全然良くねぇわ。 真っ暗な雲から、小さな水がポツポツと落ちてくる。 ……最低。 ――空は嫌いで。 つぅかむしろ大っ嫌いで。 こんなもの、なければいいのにって思うぐらい。 そういえば、何か、悲しいこと?って言えばいいのかな。 そういう時も、いつも雨だったと、思う。 ――どれだけ空を見たって、辛いことなんて、吹き飛ばせない。 なあ、空見ろって言ったの、あんただろ? なのに、何もなくさせたのもあんたかよ。 雨空を見ながら、小さく嗤った。  
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

274人が本棚に入れています
本棚に追加