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『ねぇ慎聞いて?お母さん凄いの作っちゃった』
『え?凄いの?』
『うん!! お空の法則っていうの』
『おそらのほうそく?』
『そう。辛い時はね、空を見るんだよ。
そうすれば、昼はお日様が、夜はお月様が、慎の辛いことを全部吹き飛ばしてくれるの』
目をパチくりさせる慎を見て、お母さんは笑った。
『信じてないなぁ?本当だぞ?』
『んー…そうかなぁ』
『そうだよっ!!ほら、じゃあお空見てみて?』
言われたとおりに空を見るが、目が眩む。
『眩しい?』
『うん』
『それはね、太陽が笑ってるからなんだよ?』
『うん?』
『お日様はね、恥ずかしがり屋なの。
だからね、すぐ雲に隠れちゃうでしょ?顔を隠してるからなんだよ。それに、泣き虫だしね。
だから、お日様がすっごく光って、眩しかったら、それはお日様が笑ってるからなんだよ』
――お母さんの話は、面白かった。
いつも、笑顔にしてくれるような話をする。
『辛い時は空を見る』
辛い、時は――…
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