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―――― 謳が聞こえた。
目を開けると、そこには蒼と白に輝く見たこともない、水天一碧の世界が広がっていた。
眼前に広がるは、蒼く透き通った遠浅の海庭。
それは360度見渡すかぎり果てしなく続き、足を浸している水の心地よい冷たさに、これが夢ではないと知る。
遠くの方には、疎らに白い宮が建っているのが朧気に見え、水底には白い星砂と、淡く発光する沢山の小さな球体が転がっていた。
空を仰げば、太陽が無いにも関わらず、眩しいほどの蒼穹の空。
そしてぼんやりと、幾つもの惑星が浮かんでいるのが見えた。
浜辺もなく、人も見当たらない世界で、愛砂(あさ)はただ一人立ち尽くしていた。
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