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改めて、自宅に帰ろうと校門を出ると流花も「待って」と駆けてきた。
彼女は瞑を直視して尋ねた。
聞きたいことがありすぎて、言葉がうまくまとまらない。
「柄沢君って…」
次の言葉がなかなか言いづらい。
だが、彼女が言いたいことを予測した瞑は明るく答えた。
「見えるよ。幽霊」
流花は目を丸くした。
「…変かな?」
あははと笑うが、どこか寂しそうな瞑に流花は優しく言った。
「そんなことないよ。」
その言葉に救われた瞑は目を細めた。
「ありがとう」
「そういえば…」
瞑は大事な事を思い出した。
「お前、名前は?」
自己紹介がまだだったことを、流花ですら忘れていた。
「藤崎流花。よろしくね、柄沢君」
流花と瞑は互いに握手した。
全ての始まりは、この出会いからだった。
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