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それから、全てがあっという間だった。
本堂にいくと悟と瞑がいた。
親戚や奈古の旧友が続々とやってくるので瞑と悟は彼らの案内で忙しかった。
やがて、法事が始まる。
一世のお経と、虚しく響く木魚。
流花は一部始終泣いていた。
声を上げないで、静かに涙を流した。
たまたま廊下の前を通った瞑はその様子を見つめてしまった。
見慣れぬ友人の落涙。
胸が裂けそうになる。
そのうち直視しているのに気づいた流花と目が合ってしまった。
流花は気まずく顔を下げ、瞑は逃げるように去った。
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