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奥に行くほど家の規模が大きくなっていくのを横目に見ながら李苑と柚葉は会話も少なく黙々と歩いていく。     やがて道はゆるやかな上り坂になり、それが過ぎると白い豪邸が見えてきた。   「やっと着きました~」 柚葉はそう言うと目の前の豪邸を指し示した。   「ここが李苑君のお家ですよ~」   おっとりと言う柚葉に対し李苑はめの前の豪邸を視界に捉えると驚いて固まっていた。   「…これが、寮?」   李苑の小さな呟きは柚葉に聞こえたらしく、すぐに 「はい~」 という返事が返ってきた。   「……………………」 「……………………」  しばし無言の二人 なんともいえない複雑な視線を送る李苑、 それを相変わらずにこやかな笑顔で受けとめる柚葉──   「はぁ、まぁ良いけど。 にしても広くすぎじゃない? 俺一人でしょ?ここに住むのって」   李苑が半ば諦めたような口調で柚葉にきく   「もちろんです~ なんたって李苑君は~特待生ですから~」   「そうなんだ」   「そうなんですよ~」   疲れた様に言う李苑となぜか機嫌の良い柚葉は、豪邸へと入って行った。  
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