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「がッ…学生!?まさか校内に潜伏して…」
「…いや、行き当たりばったりだろう。とりあえず墜とせ…」
上空6000メートルを戦闘機が、続いて4機のヘリが飛んで行く。
ミコトはふと気づいた。
そう、Gがかかっていないのだ。身体に負担が全くない。そこで思った。
「これなら…やれる……?」
ピピッピピッ…
あるスイッチが光った。恐る恐る押す。
「えっ!?パイロット!?」
キャノピーに写し出された画像…オペレーターの女性が驚きの声を上げた。
「あ…ども」
「あ、どうもー……じゃないわよ!なんでその機体に乗ってんのよ!?」
モニター越しでも頭に響く声だ。
「いや…なんか……爆破されそうで危なかったし」
「あ…そぅ……じゃなくて!今すぐ降りなさい!いい!?今からオートパイロットへの変え方を…」
「それどころじゃないんだ!コイツをミサイルで爆破しようとしてたやつらに追われてるんだよ!黒いヘリ!4機だ!ヘリのくせに速い速い…」
「……今…なんて…?」
「だから!戦闘機並みに速い黒ヘリ4機に追われてるんだよ!」
オペレーターの声から動揺が見える。
「どうした!?」
「し…中佐……どうしましょう…」
オペレータールームの社長椅子に腰かける男が立ち上がった。
「なんだって?」
「戦闘機クラスのスピードを持つ黒いヘリコプターがあの機体を…」
「……ソニーウルフか…!貸せ!」
男はオペレーターのマイクをぶんどった。
「おい!お前!聞こえるか!?」
「え?あ、聞こえる」
「いいか!今更解りませんなんて言わせないぞ!いいか!?お前を追っているのはあるテロリスト一団の対空部隊のエリートだ!決して気を抜くな!」
「それよりこれからどうすればいい!?横須賀まで飛ばすのか!?」
「いや、太平洋へ飛べ!街中で墜ちられてはかなわん」
「おい、墜ちることを前提に話すな」
「墜ちるんじゃない」
お前は微笑を浮かべた。
「お前が墜すんだ」
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