公太郎、仕官する。

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  「わあっ、ハムちゃんいっぱいだぁっ」 「おっ、可愛いなぁ」    その殿方と連れのお子の方々は、どうやら御犬様や他の方ではなく、我々公星から仕官を募るご様子です。   「けっ、どうせ奴ら、若ぇのから選ぶんだろうぜ」    向日葵の種をかじりながらそう申すのは、この仕官所に来てからもうじき三年が経つらしいハム丸殿です。  種族にもよりますが、本来我々の寿命は、およそ二、三年といわれています。なので彼は、ここにいる公星たちの長のような存在でもあります。   「おやハム丸殿。大事な『お客様』の前でそのような悪態をつくものではないですよ」 「……うるせえやい。どうせ俺なんか、こうしてここで誰にも飼われずくすぶって、そのままある日ぽっくり逝っちまうか売れ残って保健所で毒殺されるかに決まってんだ。これで人様に媚びていられるかってんだ」    ハム丸殿はなおも悪態をつき続けます。  
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