公太郎、仕官する。

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  「ほ、本当かっ!?」    それがしの言葉に、途端に目を輝かせるハム丸殿。それはもう、綺羅綺羅と。  きっと彼の日頃の良い行い(主に出された水や向日葵の種をきれいにたいらげること)が実を結んだのでしょう。     「良かったじゃありませんか。お天道様は我々のことを、ちゃんと見てくださっているのですよ」 「そうだな……そうだよな……」  感涙にむせび泣くハム丸殿。それがしも心に何か熱いものがあります。   「ほら、娘さんが近づいてきました。いつまでも泣いていてはいけませんよ。我々の声は御人様にはぎぃぎぃ鳴いているように聞こえるのですから、泣いていては変に思われてしまいます」    そう言って、ハム丸殿の背中を軽く叩いてやります。   「おぉ、すまねぇな」  ハム丸殿もようやく泣き笑いの表情になって、 「じゃあ、達者でな」と漢らしい置き台詞ひとつして、娘さんの方へ向き直りました。      そして娘さんへ向けて、最大限に目を潤ませて、愛くるしい表情を演出していました。    それがしはハム丸殿の余計な邪魔にならぬようにと、昼寝と洒落込むことに決めました。  
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