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カイル「ユウナ-!!早く開けてくれよ-!!」
二階に上がってくる呆れ顔のユウナを大声で呼んだ。
ユウナ「まったくもぉ。アンタももう18になったんだからもう少し落ち着いて行動しなさいよね。」
ガチャリ
ユウナは手に持っていた鍵で3号室のドアを開ける。
それとほぼ同時にカイルもドアを開け部屋に飛び込んだ。
カイル「おぉ-!!結構良い部屋じゃん!!」
そう部屋に入るなり歓喜の声を上げた。
ユウナ「こんな良い部屋本当にタダで良いのかしら??なんだかおばあさんに悪い気がしてきたなぁ…。」
カイル「良いじゃん良いじゃん!!ばぁさんも気にすんなって言ってくれた事だしさッ!!」
そう言うカイルはすでに部屋に置かれた2つのベッドの1つにゴロゴロと横になっていた。
ユウナ「まぁそうね。これはきっと最近ずっと野宿だった私達に神様が与えてくれたプレゼントだと思って受け取って起きましょう。」
そしてユウナは自分の荷物をベッドの脇に置くと,部屋の西側についている窓に向かった。
窓を開けたその景色はドンドルマの街の全貌を見渡せた。
ユウナ「ここ,良い街だわ。カムイも…ここを訪れてハンターになったのよね。」
街の景色を静かに眺めながらユウナはしみじみと言った。
カイル「あぁ。そうにちがいねぇよ。」
カイルは腕を頭の後ろに組みながらベッドに横になり,真っ白な天井を眺めていた。
そして自らの拳を天井に突き出し強く握りしめた。
カイル「やっとここまで来たんだ。これで…少なからず兄貴の行方の手掛かりには近づけたはずさ。」
ユウナ「うん…。」
カイルの言葉を聞きユウナは切なそうな表情を浮かべたのだった。
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