第二章:旅の理由

2/17
前へ
/33ページ
次へ
----今よりさかのぼる事5年前---- ---東方の田舎・ハレノ村--- 「オーイ!!そっちボール行ったぞ-!!」 「オッケィ!!まかせとけ-!!」 仲間の声が聞こえるより前に1人の少年が空高く舞い上がったボールに反応していた。 「うりゃぁ!!」 少年は見事にボールをキャッチした。 「さっすがカイル!!運動神経良いよなぁ-!!」 カイル「まぁね!!」 その元気な男の子が私の恋人,カムイの弟のカイルだった。 確かカイルを見たのはこの時が初めてだったなぁ。 この時私とカムイはカイル達が広い空き地で野球をしているのをデートの帰り道で偶然見かけ,何をするわけでもなくその姿を眺めていたの。 「ど-よ俺の弟??俺に似て運動神経良いだろ??」 ユウナ「さぁね。カムイがスポーツしてる姿見た事ないから分かんないわ。」 「ヒッデ-!!そこは見た事なくても話合わしとくとこだろ-!!」 ユウナ「バーカ。」 このお調子者みたいな感じ…っつーかお調子者が私の彼氏のカムイ。 見た目はカッコイイんだけど中身が…ちょっとね(笑) まぁそれでも私はカムイの事が大好きだった。 毎日毎日カムイのそばにいた。 そばにいる時間を重ねる度,肌を重ねる度に私はどんどんカムイの魅力に惹かれていった。 その内カイルとも仲良くなって私達3人はしょっちゅう一緒にいる時間が多くなっていったの。 本当に幸せだった。 毎日が笑顔に溢れていて笑いが絶えた事なんてなかったように感じる。 これ以上の幸せなんてない。 そんな風に思えるほど私の心は満たされていたの。 だけどその幸せは長くは続かなかった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加