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「ユウナ-!!!!」
懐かしく聞き覚えのある声に私は顔を上げる。
「え…??」
あまりにも突然私の目の前に現れ,ファンゴの牙を両手でつかみ押さえ込んでいる1人の男性が誰なのか私には分からなかった。
「ユウナ…!!大丈夫か…!?」
クルリとこちらに顔を向けながら目の前のファンゴを押さえている体がキツイはずなのに,私を不安にさせまいと気遣いその男性は必死に笑顔を作っていてくれていた。
その不器用な笑顔を見た私の心には暖かさで満ち溢れていた。
そして私は叫ぶ。
ユウナ「カムイーッ!!!!!!」
私の言葉にカムイはニッと笑う。
カムイ「くうッ…やっと…俺の名前…呼んでくれたかい!!!!」
そう言うとカムイはファンゴの牙を掴む腕にさらに力を入れ思いっきり放り投げた。
そしてファンゴは崖の下へと転がり落ちていった。
カムイ「ユウナ…大丈夫かい??」
ユウナ「うっ…うっ…カムイのばかぁ!!!!」
言いたい事はたくさんあった。
聞こうと思っていた事も言おうと思った。
だけど…カムイを前にするとそんな事よりもまずまた会えたという喜びが心の中でいっぱいになった。
そして私はカムイの胸の中で泣き崩れた。
カムイ「ユウナ…ごめんな。」
そう言うと彼は私を優しく抱きしめた。
その言葉を聞くと私の心はカムイでいっぱいになりすでに彼が村を離れようとしていた事など忘れて号泣していた。
ユウナ「ふぇ…カムイ…会いたかった…ふぇぇん…。」
カムイ「よしよし。そんな泣いてたらせっかくの美人さんが台無しになっちゃうぞ(笑)」
ユウナ「ばかばかばかぁ-!!!!うぇ-ん!!!!」
カムイ「あわわわッ!!なんで余計泣き出すのさぁ-!?」
本当によかった。
アナタとまた出会えて…。
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