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カイル「いや-ユウナの作る料理はうまいね-!!」
ユウナ「ふふふ。ありがとう。」
私はふとテーブルに置いてある手紙に目を向けた。
早く読みたくて仕方なかったのだ。
カイル「そんな焦んなくたって手紙は逃げないよ。」
私の様子を見ていたのかカイルはそうに言った。
カイルはこういう時,妙に冷静なのだ。
ユウナ「べ,別に焦ってなんかないよ。」
確信をつかれた私は正直かなり焦った。
と言うよりなんとなく恥ずかしかった。
お昼を食べ終わった後,カイルは眠いから寝ると言い自室に戻った。
その際手紙は机の上に置きっぱなし。
これはカイルなりの私に対する気遣い。
最初に手紙が来た日からずっとずっと変わることなく,私に先に読んでもらおうとカイルはいつも眠いだとかなんだと言い自室に戻ってしまう。
そして私はそのカイルの親切心に甘えさせてもらい,いつも手紙を先に読ませてもらっているのだ。
ユウナ「いつもありがとね。カイル。」
そう言い私は手紙の封を切り中に入っている手紙を取り出した。
ユウナ「フフッ,カムイそんな事してるんだぁ。」
カムイからの手紙を読んでいる時私は自然と笑顔になっている,と昔一度だけカイルに言われた事があったがきっとこの時も気付かない内に笑顔になってたんだろうなぁ。
とりあえず彼は今,ここから北に気の遠くなるほど行った所にある"ポッケ村"という一年中雪の降り続く,寒さの厳しい村に一年前からハンターとして派遣されている。
その前にいた村は"ジャンボ村"と言う村で気候がこちらと似ていたため,とても過ごしやすかったらしい。
ユウナ「カムイ…ちゃんと頑張ってるんだね。」
そして私は手紙の最後の文に目をやる。
"親愛なるユウナ,
そして我が弟カイル。
いつまでも待たせてしまって本当にすまない。
けれど…必ず俺は帰る。
2人の元へ。
だからそれまで待っていてくれよな。
2人の未来に栄光と幸あれ。"
カムイの意外とキレイな字でそんな風に書かれていた。
ユウナ「はぁ…会いたいよ。カムイ…。」
そんな事言ってもカムイが帰って来るわけなどないのだが,私はポツリとそう呟いた。
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