第二章:旅の理由

11/17
前へ
/33ページ
次へ
その晩,カイルは友達の家に遊びに行くという事になり私は久しぶりに実家で夜を過ごす事にした。 ユウナ「家に帰るの1ヶ月ぶりくらいかなぁ??久しぶりだなぁ。」 そんな独り言を言っているといつの間にか実家に到着していた。 ガチャリ ユウナはドアを開けた。 ユウナ「ただいま-。」 母「ユウナ-!?来るなら言ってくれればいいのに-。」 ユウナ「ごめんごめん。」 ユウナが帰ってくると小走りをしながらまず母親が迎えてくれた。 そして続けざまに妹の「アイナ」が居間からやってきた。 アイナ「いらっしゃい。久しぶりねおねぇちゃん。」 ユウナ「アイナ-。久しぶりね。元気だった??」 アイナ「もちろん。なんらかわらずいつもどおりよ。」 アイナは私に向かい大人っぽい表情で笑いかけた。 この妹のアイナはカイルと一緒で18歳。 だけどアイナは18歳とは思えないくらい大人っぽくて色気がある。 カイルとは大違いね。 だけど…実はここだけの話,アイナはカイルが好きらしい。 村に同い年が少ないという事もあってか気になってしまうみたい。 だからたまに私に届け物をしにアイナがカイルの家に来る時,妙にテンションが上がってるいるのはそれが原因。 そんな恋する乙女のために私はアイナのために今度カイルとデートする機会を作ってやろうと計画中である。 アイナ「…ねぇ,なにニヤけてんの??」 気付かないうちにアイナを見ながらニヤけてしまっていた私にアイナは不信感を抱いたような目で見つめていた。 ユウナ「い,いやいや,なんでもないよ!!さてと,コーヒー飲みたいからみんなで居間行こッ!!」 私は焦りながらみんなを居間へと移動させた。 そしてお茶をしながら女同士で世間話をしていた時,母が突然深刻そうな顔をしながら言い出した。 母「それよりユウナ…あなたの彼氏…カムイ君だっけ??まだ帰ってこないの??」 ユウナ「うん…まだやる事があるみたいで。」 私は母に対して苦笑いをしてみせた。 だが母は私の顔を見ても話を続ける。 母「あなたいつまでカイル君の所にいる気??あの子ももう18なんだし…あなたはあっちに住まないでもうこっちに帰ってきたら??」 ユウナ「ん-…考えとく。」 母のこの話題を回避するためにいつも私はこの言葉を使っていた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加