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ユウナ「え…??ウソ…でしょ…??」
チェスター「いえ…残念ながら本当です。」
私は体から力が抜け,静かにその場に膝をついた。
ユウナ「ウソだ…ウソだ!!ウソだ!!ウソだ!!」
私は泣き叫んだ。
チェスター「ユウナさん!!落ち着いてください!!」
シュバイツァー「チェスターさん!!とりあえず彼女をこちらに!!」
シュバイツァーはテーブルの所にあったイスを持ってきて私を落ち着けようと座らせた。
だけど私は落ち着けず泣きじゃくった。
チェスター「ユウナさん!!まだカムイの生死が分かったわけではないんです!!落ち着いてください!!」
その言葉を聞いても私はなかなか泣き止む事が出来なかったが約10分後,私はようやく落ち着きを取り戻した。
その様子を見たチェスターは私の前に座った。
チェスター「ユウナさん。私達はね,カムイが死んだなんてこれっぽっちも思っちゃいないですよ。」
シュバイツァー「僕も同感だ。」
チェスターとシュバイツァーはニッコリと笑った。
チェスター「私達はカムイとよく一緒にクエストをこなしていたんですよ。いわゆる狩り仲間です。」
その言葉を聞き,私は2人の話に聞き入った。
シュバイツァー「あの人はホントむちゃくちゃなんすよ。もちろん良い意味でね。僕とカムイさんは年2つ違いで僕のが年下。チェスターさんは3つ違いでカムイさんより年上なんだ。僕は15歳でチェスターさんなんて14歳からハンターやってたのにカムイさんがギルドにやって来てから僕ら2人共ハント歴は上だったのに一気にごぼう抜き抜かれてったからね。」
シュバイツァーは笑いながら昔の事を話す。
その後も2人は私にハンターになったカムイの事を聞かせてくれた。
私にとびっきりの笑顔を見せ,とても楽しそうに当時の事を話してる2人の顔はまるで無邪気な子供みたいだった。
チェスター「本当にカムイは強くて優しい人だった。だから私たちはもし彼が死んだと言われても絶対に信じない。それよりも信じられないですよ。」
シュバイツァー「そうそう!!なんたってあの人は"自称・絶対無敵の最強の男"だからね!!」
2人の言葉に私は少なからず勇気づけられていたのは確かだ。
その証拠に私の目から涙は消えていた。
そのとき,ドタバタと騒がしい音がカイルの部屋の方から聞こえた。
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