第二章:旅の理由

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シュバイツァー「まったく,騒がしい奴だなぁ。」 シュバイツァーはカイルの部屋の方に目を向けた。 ユウナ「カイル…いったいなにしてるんだろう??」 シュバイツァー「あっ,そう言えばまだ話してなかったっけか??アイツな…」 ドンッ!! ヘラヘラと話しているシュバイツァーの脇をチェスターはひじで小突いた。 ユウナ「なんですか…??カイルがどうしたんですか??」 チェスターは軽く咳払いをすると急に重苦しい表情をしながら口を開いた。 チェスター「ユウナさんには大変辛い事かと思うのですが…カイル君は自らの力でカムイを探し出すと申し上げました。」 ユウナ「え??それはつまり…」 シュバイツァー「アイツはこの村を出てハンターになるつもりなのさ。」 チェスターとシュバイツァーの言葉を聞いた私はまたしても脱力感におそわれた。 彼らはその後すぐに帰り支度をし始めた。 チェスター「本当に今日はお騒がせしました。」 ユウナ「いえ…そんな…」 家の庭先まで2人を送りに行った私はチェスターの言葉に力無く返事した。 そんな私の姿を見ていたシュバイツァーが私の所へ歩み寄ってくる。 シュバイツァー「手…開いてこっちに出して。」 言われた通り手を開き前に出すとシュバイツァーは私の手に被せるようにして何かを渡し,そのまま私の手のひらをグーにさせた。 私は渡された物が気になって開こうとしたけどそれはシュバイツァーの手によって阻止された。 シュバイツァー「僕らがこの村を出て行ってから,その手を開くんだよ。」 そう言うとシュバイツァーは私にウィンクをして1人村の入り口に向け歩き始めた。 チェスター「ふん…まったくお前は。」 シュバイツァーが1人歩いていく姿を見つめていたチェスターが今度は私の方へ顔を向けた。 チェスター「ユウナさん,必ずしも,いや…なんとしてでも私達"ギルドガード"が全力を尽くしてカムイを見つけだして見せます。私達を信じてください。約束します。」 チェスターの言葉はなんだか自信に満ち溢れているように感じられた。 チェスター「それでは失礼します。」 こうして2人は村を後にしていった。 2人が見えなくなった頃,私は1人手のひらを開き中の物を見た。 そこには一枚のプレート付きのネックレス。 プレートには"カムイ"と書かれていた。
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