2人が本棚に入れています
本棚に追加
ユウナ「これ…カムイの…」
私はポタポタと大粒の涙を流し,手のひらにあるネックレスをギュッと強く握りしめた。
きっとシュバイツァーは私が泣く姿を見るのが辛かったから手のひらを開くのは自分達の姿が見えなくなってからにしろと言ったのだろう。
ユウナ「カムイ…どうしてどんどん遠くに行っちゃうの??私から離れて行っちゃうの…??嫌だよう…。」
私は庭先にしゃがみ込み,1人涙を流しながらカムイの事を思っていた。
そして…これが私に一大決心をさせた。
その夜。
私はチェスター達が来たあと姿を見せなくなったカイルの部屋を訪ねた。
ユウナ「カイル…今大丈夫??」
真っ暗な部屋で1人旅支度をしているようだったカイルは私が突然声をかけた事に驚き,ビックリした顔をしながらこちらを向いた。
カイル「どうしたの??眠れないのか??」
苦笑いしながらカイルは私を見た。
ユウナ「カイル…あなた村を出てハンターになるんでしょ??」
私はカイルに核心をつく一言を言った。
私の言葉を聞き,カイルは少しごもっていたが静かに口を開く。
カイル「…おう。」
その一言を私に言うとカイルは再び出発の準備を始めた。
私は黙ってカイルを見つめていたが,我慢仕切れず,自分の覚悟を思わず口にした。
ユウナ「カイル…お願いだから私も連れて行って!!」
カイル「ハァ-!?」
ガシャン!!
カイルは手に持っていた救急箱を床に落とし,こちらに勢いよく振り返った!?
ユウナ「私,本気だから。絶対に行くから。」
カイル「いやでもお前…ハンターなんて絶対ダメだ!!危険すぎる!!」
カイルは私を説得しようと必死だった。
それでも私は立ち向かう。
ユウナ「絶対に行く。もういつまでも待ってるだけなんて嫌なの。」
カイル「だけど…」
ユウナ「うるさい!!行くったら行くんだよ!!!!」
私は初めてカイルに対して怒鳴った。
きっとあのときの私は目にはうっすらと涙を浮かべながら鬼のような形相をしていただろう。
そんな私の姿を初めて見たカイルはそれ以上何も言えなくなっていた。
次の日。
私が目を覚まして昨日の事を謝ろうとカムイの部屋を訪れるとそこにカムイの姿はなかった。
私は焦った。
きっと昨日の夜に出て行ってしまったのだと思い,寝間着のまま家を飛び出した。
最初のコメントを投稿しよう!