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目の前には栄口の顔
自分の唇には暖かくて柔らかい感触
…どういう、こと
栄口の顔が真っ赤だ…
こくはく
「っ、ごめ…」
ぱっと、水谷の体から離れ、うつ向く栄口
目尻には、少し涙が浮かんでいる
「栄口…?」
「ごめん、気持ち悪かったろ、」
「えっ」
忘れて
そういうと、栄口は走りだそうとした
「ちょ、待って…っ」
ぱしっと栄口の手を掴む水谷
「ねぇ、どういうことなの?きちんと説明してよ…」
「…っ」
栄口の顔が歪む
ばっと水谷の顔を掴み、大きな声で叫ぶ
「俺は、水谷が好きなんだよっ!!」
その瞬間、水谷が栄口を抱き寄せて、むきゅっと抱きしめる
「へっ?!」
「俺もっ、栄口が好きっ」
「え、あぅ?!」
「大大だぁい好きっ」
「う、そぉっ」
嘘じゃないよぉとにへっとした笑顔で栄口を見る水谷
その笑顔を見て安心したからか、栄口の目から涙がほろほろと溢れてくる
「さ、栄口っ?!どしたの」
「っ、嬉し泣きだばかぁっ」
「んもうっ、栄口可愛すぎだぁっ」
そう言うと、水谷は栄口に優しくキスをした
いつまでも、その気持ちが薄れない、おまじないみたいな優しいキスを…
うん、恥ずかしいね。これ。
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