後戻り

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古ぼけたエレベーターに乗る 独特の金属の臭いが 鼻を通り抜ける。 チーン…、と言う到着音と共に扉が開く 同時に金属臭から解放された エレベーターから 10歩程歩いた場所に ガラス戸がある 昼なのに廊下もガラス戸の向こうも薄暗い 心なしか肌寒い。 嫌な、感じがする 今なら人の気配もない 帰ってしまおうか… 踵を返そうとした瞬間、 ガラス戸の向こうに見える花瓶にいけられた椿の花が ぽとり、と堕ちた
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