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~♪~♪
麻子の携帯が鳴る。
[正人には内緒にしておいてください。]
美紀からのメールだ。
麻子は軽く溜め息をついた。
「あんな目立つ場所で会うほうが悪いのよ」
男の吸いかけのタバコを横取りし、煙を深く吸い込んだ。
「何ブツブツ言ってるんだ?俺シャワーあびるけど一緒に浴びるか?」
男はニヤリと笑う。
「結構です。お先にどうぞ」
「この前みたく先に帰らないでくれよ」
男はそう言うとバスルームに消えていった。
バスルームからシャワーの音が聴こえてきた。
シャワーの音を聴きながら麻子は考えた。
美紀と正人どうなるのかな…。
そして私も…。
~♪~♪。
携帯が再び鳴った。
美紀からの呼び出しコール。
「まったく!」
麻子は、サイドテーブルに置いてある携帯電話を持って、バスルームに向かう。
シャワーの音。男の鼻歌。
麻子はガラス戸越しに大きく叫んだ。
「正人~、美紀から電話~」
シャワーの音と鼻歌がバスルームから消えた。
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