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もはや別れの理由がホントに俺の過去ならば避けられない。
これ以上、綾香を責めることもしたくない。
『わかったよ…。綾香がそこまで言うなら別れよう…。』
『…うん』
『だけど…だけど最後に俺のワガママ聞いてほしい…』
『うん…いいよ』
『GWに一緒にディズニーシーに行きたい。最後に綾香と思い出作りたい。それからお別れしよう…。ダメかな?』
しばらく考えて綾香が言った。
『…うん。わかった』
ホントは拒否して欲しかった。冷たく俺を突き放して欲しかった…。
そうすれば諦めがつく。
だけど綾香はそんなことできる人じゃなかった…。
『お茶さんの優しさはちゃんと優しさで返したい』
いつだったか綾香が俺に言った言葉。
綾香は最後までそれを実行しようとしていた。
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