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ディズニーシーの帰り道。
助手席に乗っている綾香は眠っている。
朝も早かったし、仕方がない。
俺は前方に注意を払いつつ、綾香の顔をチラチラ見る。
こうして綾香の寝顔を見るのも今日で最後。
やがて綾香んちに到着。
『今日はホントにありがとう♪楽しかったよ♪んじゃ、気をつけて帰ってね』
『…綾香』
『な~に?』
(ホントに今日で終わりなの?)
俺はそう聞きたかったが怖くて聞けない。
『…ん、何でもない。おやすみ』
『おやすみなさい』
綾香は別れの言葉は口にしなかった。
今日で別れることは決まっていること。
だからあえて言わなかったのか?
それともディズニーシーの魔法が解けてないのかな?
確かめたいけど、確かめる勇気がない。
結局、答えはわからないままその日は別れた。
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