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いつもの待ち合わせ場所。
桜が舞い散るのをぼーっと見つめる俺。
ホントに終わりなのか?
どうにかならないのか…?
やがて綾香が来た。
『話しってなぁに?』
『綾香、正直に答えてくれ。好きな人…出来たのか?』
しばらく沈黙した後に綾香が口を開く。
『…うん』
『そいついいヤツなのか?』
『…うん。その人、中学の時の同級生でね…』
綾香はその人のことを話し出した。
正直、そんなこと聞きたくない…。
やめろ!やめてくれっ!
だけど、そいつの話しをしている綾香はなんだか嬉しそうだった。
まるであの頃ように俺にだけ見せる笑顔。
話しを聞くと綾香はどうやら片思いらしい。
俺は不思議と応援したくなった。
『綾香、俺も応援するし、相談にものるから頑張れよ!』
『ホントに!?ありがとう!』
不思議と涙は出なかった。
綾香はこんなに生き生きして話している。
それでいいじゃないか。
俺は自分自身にそう言い聞かせていた。
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